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ピラミッド形石 2010年9月7日更新

ピラミッド形石

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面白テーマ|石器・ガラス|>ピラミッド形石

Pyramid-shaped stone
ポン・ラベ「ケルマリア」,フィニステール,フランス
白粒岩,高さ83.0cm
紀元前4世紀
サン・ジェルマン・アン・レー,フランス国立古代博物館83120
四面をそれぞれ水平に三つに区画し、上の区画にメアンダー、下にはランニング・ドッグを刻む。最も広い中央の区画にはそれぞれ、左回転のスワスティカ、四つのX形、四枚のヤドリギの葉、四枚の「風車の羽根」を表し、頂にはXを刻んでいる。四つの面は四方、宇宙の秩序を意味し、ケルトの「オンフアロス」として宗教儀礼と結びつけられる。
 1869年10月、マインツ・ビングン地方のヴアノレダルゲスハイムで初期ケルトの重要な墳墓が偶然発見された。途中盗掘にも遭ったが、1870年11月には調査が終了した。
 埋葬された女首長は、付近に露出した鉄とマンガンの採掘と加工によってその社会的地位を確保したと考えられる。装身具として金製トルク、金製腕輪3点、ブロンズ製アンクレット一対のほか、装飾板、ガラス玉、カタツムリの殼による護符などを身に着けていた。これらはラ・テーヌ初期後半(B期)のライン上流の北部地域に共通するもので、被葬者がこの地方の出自であることを示す金製トルクと戦車のくびき、馬のおもがいなどは、西方のシヤンパーニュ地方との強い文化的結びつきを示している。
 首長のステイタス・シンボルであるワイン容器としては、ワイン注ぎとして使われた円筒形の注ぎ口を備えた壺と、注ぎ口のないシトゥラが副葬されていた。ワイン注ぎは副葬品の中で最も古く、ラ・テーヌ最初期に属する。他方シトゥラは南イタリア製であり、この墓の絶対年代を紀元前320年頃と推定することを可能にする。これは他の副葬品、とりわけ金製トルクとブロンズ製アンクレットの与える相対的年代ラ・テーヌB1/2期と一致する。この墓の出土品からヴァルダルゲスハイム様式とも呼ばれる連続植物文様式の後期であり、従って、この様式がこの土地で創始されたものではないことは明らかである。出所:「古代ヨーロッパの至宝--ゲルト美術展1998」    
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