玉製マスク　2009年12月18日更新

ー個
高4.5　幅5.2
新石器時代あるいはそれ以降(紀元前2000～1000年頃)
Jade carving of a face.
　うすい半透明の緑色の玉製。眼，鼻，口は大きく表現され，耳には円孔があく。耳の上から後方にのびる巻鬚状の突起は，この小さな装飾具の特徴となっている。頭には，細線によるＳ字形渦文が彫られた頭飾りをつける。裏面は文様なく素面となっている。
　類品には,ブランデージ･コレクションのマスクがあるが，これには頭飾りに文様はみられず，巻鬚状突起の形も少し異なるなどの相違点もみられる。
　年代を考えるうえで参考となるのが，山東省日照県の両城鎮追跡(龍山文化)出上の石斧と江蘇省武進県の寺墩遺跡(良渚文化)出土の玉琮の二点てある。前者の背部にみられる文様は巻鬚状突起の形と共通し，後者の帯状にめぐる細線文様は頭飾りのＳ字形渦文と共通する。したがって,本品も各部の要素の類似から新石器特代後期とみられている。しかし,陝西省の西周時代の墓(『考古』1987-1)からも,本品と類似した玉製マスクが出土したので，年代については問題を残している。出所：大英博物館所蔵日本・中国美術名品展
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