考古用語辞典 A-Words

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執金剛・般若仏母父母仏 2009年12月5日更新

執金剛・般若仏母父母仏

【和:
【中:
彫刻・書画|青銅器|>執金剛・般若仏母父母仏

チベット中央部
16世紀前半
真鍮・銅合金
高3.5cm
エッセン・コレクション
ニ重の蓮台に本初仏である執金剛、すなわち金剛杵を持つ者が座っている。執金剛は真理の本源的な不滅の本性を象徴する金剛の具体化した姿である。(ニンマ派を除く)新訳経典に基礎を置く宗派では、執金剛は仏教の尊格のなかで第一の地位を占める本初仏として崇拝された。執金剛は、その女性配偶者との父母合体姿勢で座っている。この姿勢はチベットの諸尊には多く見られる特徴的なもので、ここでは、その姿勢は単なる恍惚とした性的な合体としては理解されない。執金剛の儀式的な抱擁のしぐさに見られるように、この合体は慈悲と智慧の合体を象徴的に表現したものである。執金剛の配偶者は、超越的な智慧(般若波羅蜜)を象徴している。この女神は、無知という根源的な悪を根こそぎにするために儀礼上の短刀を右手に持ち、左手には無知を浄化するものを象徴する神饌を満たした髑髏杯をもって彼女の配偶者に差し出している。
 この美しく造形され彫られた宗教的な彫刻は、三つの部分から構成されているが、この像がある女性の気前のいい寄進であることが、台座の背面の銘文から分かる。そこには、彼女がその宗教的な功績から菩薩という敬称で呼ばれていたと書かれている。その銘文は次のように読める。「執金剛の真の化身である〔ラマ僧〕ナムドル・ツァンポ。偉大なクンチョク・ツァンモ菩薩によって崇敬の念を込めて寄進された。ラードゥン・プンチョ師匠父子によって制作された。」残念ながら、この銘文からはいかなる歴史的な推論も描くことができない。しかしながら、このチベットのラマ僧に捧げられた高い尊敬の念からは誹るところが多い。つまり、彼は本 初仏執金剛であると考えられていたので、我々は執金剛自身が同時にすべてのラマ僧の原型であるということが分かるのである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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