考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

ヴァジュラヴアーラーヒー 2009年10月22日更新

ヴァジュラヴアーラーヒー

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>ヴァジュラヴアーラーヒー

中央アジア、ハラホト
1227年以前
綿布着色
110.5×68.5cm
エルミタージュ美術館、サンクトペテルブルク
ヴァジュラヴァーラーヒー(金剛牝豚、ドルジェ・パクモ)はパラマスッカ・チャクラサンヴァラ(サンヴァラ)に属する女尊である。ハラホトの画像では、独尊で眷属を伴って描かれ、背景は屍林や無地であったりする。ヴァジュラヴァーラーヒーは、主尊、サンヴァラが女尊として化現した姿である。
 ここでは、赤色のヴァジュラヴァーラーヒーが左足だけで立ち、舞踏の姿勢をとり、横たわって頭を左にひねったバイラヴァ(シヴァ)を踏みつける。女尊は髑髏宝冠をつける。中央の髑髏の上には法輪をのせる三日月形がある。顔の右側に青色の牝豚の頭があるが、損傷がひどい。白い花柄の天衣と冠飾をつける。金の耳飾り、腕輪、腰帯を付ける。 骨でできた瓔珞で着飾っている。右手には金剛杵を持ち、左手に髑髏情懐杯を胸前で持つ。カトゥヴァンガ杖という3個の髑髏と金剛杵を先に付けた杖を左腕に抱える。ヴァジュラヴァーラーヒーはバイラヴァの腹上の日輪の上に立ち、バイラヴァは、さまざまな色の二重蓮弁の蓮華座上の白い楕円形の月輪に横たわる。挙身光の火焔光背には、ヴァジュラヴァーラーヒーの眷属六尊があり、身色は右脇は上から赤、緑、青で、左脇が上から黄、白、暗青色である。各尊とも右脚を踏み出してヴァジュラヴァーラーヒーと同じものを踏みつける。赤色尊以外は、みな一面四臂で、右の二手に小さなダマル太鼓と金剛包丁を持ち、左の二手にカトゥヴァンガ杖、羂索、髑髏杯を持つ。この六尊は、ヴァジュラヴァーラーヒーの真言の音を擬人化したものと思われる。火焔光背が描かれその外側に八屍林があり、8基の仏塔と8本の木、切断された手足、祈る人物があらわされる。人骨や髑髏や死体を喰らう獣が散在する。
 サンヴァラの父母仏が上の列の中央にあらわされ、両脇に四臂ダーキニーが2体ずつあらわされる。中尊の両脇に縦に五尊並べられている。それぞれの区画は、金の花文の入った赤の幕で仕切られている。それぞれの像に付いている赤い付ーには何も記されていない。左から右へ、上から下への順で、1)-2)僧形、3)妃を伴う大成就者、4)大成就者、おそらくヴィルーパ。赤色の日輪を指さす。脇にひざまずく人物がいる、5)茶色の衣をまとう大成就者。岸壁の前に非常に変わった格好で座る。これはハラホトのものではこの像にしか見られない、6)魚を調理する大成就者(オルデンブルクの推定ではルーイーパ)、7)虎にまたがる菩薩形または天部形(ヴィシュヌもしくは梵天か?)、8)白象にまたがる菩薩形または天部形(おそらく帝釈天か)、9)-10)色黒と色白の僧形が左右対称にあらわされる。  下層には、6体の舞踏する女尊が供物を差し出している。背景は赤色で塗られている。上部は、白い花柄の幕でふちどられ、舞台のような効果を生みだしている。 出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.