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サキャ・パンディタ 2009年10月9日更新

サキャ・パンディタ

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>サキャ・パンディタ

チベット中央部、おそらくツァン地方
15世紀
真鍮
高19.5cm
エッセン・コレクション
サキャ・パンディタ即ちサキャ派の学匠クンガ・ギャルツェン(1182-1251)は、偉大な能力をもったラマであると同時に政治的にも重要な人物であった。彼の論理学に関する哲学的論文は、彼の生前にサンスクリットに翻訳された。彼は芸術を後援する事が多く、サキャ寺を広げ、ネパールから連れてきた芸術家たちに装飾させた。サキャ・パンディタは、彼の甥パクパとともに、ウイグル文字からモンゴル文字(パクパ文字)をつくって、仏教の文献をモンゴル語に翻訳することを可能とした。そうすることによってモンゴル人たちに仏教を広めたのである。
 サキャ・パンディタは、チベットの北方の隣人たち即ちモンゴル人たちとの関係において、政治的に重要な役割を演じた。彼は即座にモンゴルに進貢し、そのことによって、チベットはモンゴル皇帝チンギス汗(1155-1227)の侵略から免れることができた。そして引き続いて、高位のサキャ派の座主たちはモンゴル人たちの信頼を得続け、まもなく、進歩的に信教の自由を認めてゆくモンゴル皇帝たちの宮廷において、精神的な面における助言者として尊崇を受けるようになったのである。このようにして、サキャ派ははじめてチベットの精神、世俗の両端を合一させることに成功し、チベット仏教の他の宗派に対する支配的立場を確立したのである。
 この像ではサキャ・パンディタは二重の蓮弁からなる高い台座に結跏趺坐し、両手は説法を象徴する印即ち転法輪印を結んでいる。頭頂部の小さな盛り上がり即ち肉髻と、額にある毛の房をあらわす白毫、そして長い耳といった面相は、すべて仏の相好である。丈の高い蓮華の上には智慧の利剣と般若経が載っている。これらは、サキャ・パンディタの本地と信じられていた文殊菩薩を象徴するものである。 出所:天空の秘宝チベット密教美術展
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