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パドマサンバヴァと二十五成就者 2009年10月5日更新

パドマサンバヴァと二十五成就者

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>パドマサンバヴァと二十五成就者

おそらくチベッ中央部
15世紀中期
綿布出着色
57×43.2cm
ヴィクトリア&アルバート美術館
パドマサンバヴァは、三葉形アーチ龕内に座り、その両脇に2人の妃マンダラヴァとツォギャルを伴う。中心の三尊の周囲には、唐草文の蔓で円く囲まれた中にひとりずつ、パドマサンバヴァのチベットでの二十五大弟子が配される。画面上端に7人、両端に8人、両脇侍の下方にひとりずつ、下端に2人いる。画面のへりにそれぞれの銘記がある。弟子たちは、議論したり宙に浮いたり説法したりするなどの、動きのある姿勢で描かれる。画面下端には、数体の守護尊(イダム)と護法尊があり、左中央寄りの赤色の忿怒尊は銘文にグル・ダクポとあり、パドマサンバヴァが忿怒尊に変化した姿である。下端中央の王侯像の名は不明である。右中央寄りにはマニン・ダクポという長衣をまとった護法尊がある。その右側は青色の多臂ナーガ(龍神)で尾から水を吐く。修行者が目指している、完全に覚りを開いた守護尊とちがい、護法尊は、仏法とその帰依者の力強い保護者である。中には、元来土着の神で仏教に調伏され帰依したものもいる。白ターラーと緑ターラーがパドマサンバヴァの蓮台の両脇に座る。蓮台は赤くふちどられた湖から生えている。緑ターラーの次にはティソン・デツェン王が智慧の剣と般若経の経本を持って座る。この持物は王が文殊の生まれ変わりであることをあらわす。王は通常はパドマサンバヴァの弟子の中に含まれる。仏龕の左上にパドマサンバヴァの本地である赤色の阿弥陀仏がいる。右上には白色の六字観音がおり、応身としてのパドマサンバヴァの対になる報身をあらわす場合がある。 大成就者パドマサンバヴァは、通常の形通り結跏跌坐して金剛杵とカトゥヴァンガ杖と髑髏杯を持つ。緑絹の衣をまとい、その上に茶色の袈裟を着る。着衣には金彩の文様が施される。肩には獅子の毛皮が衣の間からみえる。ウディヤーナの帽子は暗赤色で格子文があり、長いスカーフ状のえりが肩まで垂れる。鷲の羽が帽子の頂上の金剛杵から出ている。顔は通例と異なり面長で円い頬と顎をもつ。妃は、外套のような長い衣をまといやや重そうな飾りの付いた頭巾をつける。
 このタンカはおそらく15世紀中期の中央部の作であろう。パドマサンバヴァの様式やアーチ龕の形式は、以前フォード・コレクションにあった14世紀のパドマサンバヴァと関連づけられるようである。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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