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大成就者ナクポパ(パダムパ・サンギェー) 2009年10月2日更新

大成就者ナクポパ(パダムパ・サンギェー)

【和:
【中:
面白テーマ|彫刻・書画|>大成就者ナクポパ(パダムパ・サンギェー)

おそらくチベット中央部
14世紀中期
青銅;銅・銀象嵌
高22.2cm
ロサンゼルス・カウンティ美術館
パダムパ・サンギェーは、11世紀後半にインドからチベットに来た偉大な仏教諭伽行者で、大成就者である。彼には、数世紀前に中国へ行き、菩提達摩として有名になり、禅宗の開祖となったというものを含めて、多くの伝説がある。後に、彼は、北東インドのヴィクラマシーラ僧院で有名な学僧となった。
彼は、チュー(断)、あるいは精神的自己解体の瑜伽法の教えで特筆される。これは、古い自己中心的な身心を離れて、智慧と慈悲の型に再結集させる強力で、いくぶんかシャーマニズム的な方法である。この教えは、チベットの多くの宗派に受け入れられた。彼の主要な弟子であったチベットの女性行者マチク・ラプドンマとともに、パダムパは、シジェ派として知られる彼自身の宗派を開いた。彼は、チベット人が84人の本来のグループに加えた大成就者(チベット人6人、インド人2人)のひとりに含まれている。
 このほとんど完璧に均整のとれた彫像では、パダムパ・サンギェーは、チャンダーリーの火(T.gtummo)の瑜伽を示すしやがんだ姿勢で座っている。平らな螺旋状の耳飾りは、銀と銅をはめ込んだ彼の大きく開けた眼と同じくらいはっきりと人目につく。 彼の針金状の首飾りは、顎髭の短い巻き毛の輪郭を示している。彼の頭の花冠は、この力強く、人を惹きつける頭と釣り合っていないように思えるが、こうしたことは、彼の衣の大きな花や葉の模様に再現されている。凝縮され、ずんぐりした体つきや、その輪郭の中で制御されたエネルギーは、力が強さと争って、不安定な状態になっているように見える像を創り出している。このように、この単純であるが、みごとな彫刻は、その人物の瑜伽の力を表現している。
 像の銘に次のように記されている。「尼僧によって先導され、弟子たちが、吉祥なるラマ(ペンデン・ラマ)への追善のために、信者の心の支えとして、この聖像を創造した。この功徳によって、すべての衆生が成仏できますように。幸あれ」。パルとリチャードソンは、「ペンデン・ラマ」はペンデン・センギェー(1342没)であると考えている。出所:天空の秘宝チベット密教美術展 2009.09.19更新
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