考古用語辞典 A-Words

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アート・インスティチュート・オブ・シカゴ(アメリカ) 2009年8月9日更新

アート・インスティチュート・オブ・シカゴ(アメリカ)

【和:アート・インスティチュート・オブ・シカゴ
【英:The Art Institute of Chicago
研究機関|>アート・インスティチュート・オブ・シカゴ(アメリカ)

 シカゴはアメリカ第二の都市で、ニューヨークのマンハッタンほどではないが、高層ビルが立ち並び、碁盤の目のように街並みは整然としている。ニューヨークのセントラル・パークに隣接してメトロポリタン美術館があるように、ここもグランド・パークにアート・インスティチュート・オブ・シカゴがある。外観もメトロポリタン美術館を小さくしたような建物である。
 この美術館は一八六六年に創立されたデザイン・アカデミーが母体となって、一八八二年にアート・インスティチュート・オブ・シカゴとなった。多くの寄贈者、遺贈者からの美術品は百年近い歳月の間に膨大な量となっている。展示室は地下一階、地上二階で百家あまりあり、印象に残った作品をたどりながら紹介してゆきたい。展示は印象派から始まっている。展示室の真ん中にロダンの彫刻「カレーの市民」「アダム」「バルザック」が置かれていて、ドガの「カフェの歌い手」(一八七八頃)、「婦人帽子店」(一八八二頃)、コローの女性像としては珍しく大きい作品「読書の中断」(一八七九頃)、カイユボットの「パリの通り・雨の日」(一八七七)、セザンヌの「水浴」(一八九九-一九〇四)、「黄色い肘掛け椅子のセザンヌ夫人」(一八九三ー九五)、ゴッホの「自画像」(一八八六ー八八)、「酒呑みたち」(一八九〇)が展示されている。ゴーギャン「ノ・テ・アハ・オエ・リリ(あなたはどうして怒っているの?)」(一八九六)や「タハマワの祖先」は特にいい。ロートレックの「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」(一八八九)はまるで油彩によるデッサンという趣である。
 ルノワールの五十号大の「テラスにて」(一八八ー)は最高級の作品である。同じくルノワールの「二人のサーカスの少女たち」(一八七九)、「シスレーの肖像」(一八七四)、「ピアノを弾く女性」(一八七五)なども美しい。モネは「サン・ラザール駅」をはじめ「ベニス」「ヴェトゥイユ」「睡蓮」「積み藁」(一八九一、時間と光を変えた四枚連作)、「ロンドン橋」と、モネのすべてがここにある。さらに、ゴヤの「羊に乗った少年」、ターナー「雪・嵐・雷アオスタ谷」(一八三六三七)、「ドイツの漁船」(一八三七ー二八)と素晴らしい作品が続く。
 新館には、本館から渡り廊下で続いている。まずスーラの「グランド・ジャット島の日曜日の午後」(一八八四-八六)の大作が目をひく。ロートレックの大作「ムーラン・ルージュにて」も素晴らしいし、ゴーギャンの「神の日」(一八九四)も美しい。セザンヌ「リんごの籠」(一八九〇-九四)、ゴッホ「アルルの寝室」(一八八九)、ピカソ「老人のギター弾き」(一九〇二)は青の時代の傑作である。モジリアニの「ジャック・リプシッツとその妻」(一九一六)も名作である。シャガールのロシア時代の作品「誕生」(一九一一)も素晴らしい。  二十世紀の作家たちでは、ブランクーシ、ジャコメッティ、マチスなどの彫刻、メキシコのりベラの作品、ミロの星シリーズの「星と人たち」(一九三ニ)の大作、ピカソの「腕をくむ女」(一九〇二)、「軽わざ師の妻の顔」(一九〇四)、「ダニエル・ヘンリー・カーンワイラー」(一九一〇)と名作が続く。さらに、ジャコメッティの彫刻、ニメートル大の「歩く男」(一九六〇)、ヘンリー・ムアの彫刻があり、ニコラ・ド・スタールやスーラージュ、ポリヤコフ、マチュー、ヴァザルリなども並んでいる。
 印象派から現代までを駆け足で見てきたのだが、この他、素晴らしいエル・グレコやティントレット、ティツィアーノ、レンブラント、ルーペンスもあるし、一階には日本の浮世絵、中国の水彩画、インドをはじめアジアの作品や、ヨーロッパの古い宗教美術、甲冑や武器まで並んでいる。ルーブル美術館やメトロポリタン美術館よりは小規模だが、膨大な作品のすべてを楽しむには優に二日はかかるのではあるまいか。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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