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スコットランド国立美術館(イギリス) 2009年7月29日更新

スコットランド国立美術館(イギリス)

【和:スコットランドこくりつびじゅつかん
【英:National Gallery of Scotland
研究機関|>スコットランド国立美術館(イギリス)

 スコットランドのエジンバラは古い歴史をもった落ち着きのある静かな町である。ロンドンから五一〇キロ、空路一時間十五分でエジンバラに着く。空港から町までは車で二十分ほどである。
 スコットランド国立美術館の始まりは十八世紀初頭にさかのぼる。当初いくつかのアカデミーに分かれていたが、一八五九年にコレクションをまとめて新しく建てた美術館に展示した。
 英国では公立の美術館は入館料をとらない。ここも無料である。本館は二階建てでまず入口から二階へあがる。
二階へは入口に近いところと一階の一番奥のところに二つ階段があり、それぞれ独立した展示室になっている。
 まず初めの二階の展示場はイタリアの十四世紀からの作品で、絨毯にグリーンの綾織りの布地の壁で重厚な雰囲気である。ここにはラファエロの「聖家族と椰子の木」(一五〇六頃)、ルーカス・クラナッハ(父)の「ヴィーナスとキューピッド」がある。
 一階へ戻って一室から見ていく。一階は天井が高く、天井光も入り、壁はえんじ色など深い色が多い。一室は十六世紀ごろからの作品でティツィアーノ「人生の三世代の寓意」は赤ん坊から骸骨を持った老人まで描かれており興味をひく。ダ・ヴィンチのデッサンがガラスケースの中に入れてあり、ケースに厚い布地がかけてある。保存のためであろうか。
 二室には、ティツィアーノ「海からあがるヴィーナス」、ヴェロネーゼ「マルスとヴィーナス」、ティントレット「キリストの十字架降下」などの名品が並んでいる。 三室は天井光のふんだんに入る小部屋で十七世紀の小品が多い。レンブラント「髪に花をつけた若い女」(一六三四)は写実的に描きこまれた名品である。  さらにベラスケス「卵を料理する老女」(一六一八)がいい。エル・グレコ「救世主」も見る人の心に訴える力をもっている。
 五室の入口近くにあるルーベンスの小品「顔の習作」は、思わず足を止めたくなる魅力をもっている。ここには、プーサンの「七つの秘蹟」の連作も展示されている。
 六室には、レンブラント五十ー歳のときの「自画像」があり、渋さがにじみでていて素晴らしい。さらに、レンブラントの小品「ハナとサミュエル」や、フランスハルスの肖像画などがある。
 奥の階段の方から展示室にあがると、まず、ゴーギャンの「三人のタヒチ人」(一八九九)、「天使と闘うヤコブ」(一八八八)など、ドガは「マルテリの肖像」「踊り子たち」などがいい。ゴッホは「花咲く果樹園」(一八八八)、「オリーブの木」(一八八九)がある。セザンヌの「大きい木」「サント・ヴィクトワール山」などがあり、セザンヌの素晴らしさを再認識させられる。ルノワール「母と子」(一八九三―九四)は小品ながら佳作。ドラクロア、コロー、ドーミエ、ブーダン、クールベの部屋もあり、ここは緑色の壁になっている。英国のゲインズボローやレイノルズの部屋はブルーの壁で、それぞれの部屋の雰囲気に合った壁の配色に気持ちがやわらぐ。
 一階へおりて、九字はヴァン・ダイクの「若い男の肖像」、レンブラント「ベッドの中の婦人」、ルーベンスの大作「ヘロデ王の祝宴」などが素晴らしい。
 十室はローレンス、ブーシェの大作、レイノルズの大作などが目につく。なかでもゲインズボロー「ハミルトン夫人」がいい。十一室には夕ーナーがある。「アベティン山からのローマ」(一八三六)と「近代ローマカンポベッキオ」(一八三九)は何ともいえない色彩の美しさと光の輝きがある。イギリスを代表する画家だけあって本国には数多くの彼の作品があるが、その中でも名品の一つであろう。それほど大きい美術館ではないが、内容が実に充実している。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
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