考古用語辞典 A-Words

時代別順

旧石器時代
新石器時代
神話時代
殷・周時代
春秋戦国
秦・漢・三国
晋・南北朝
隋・唐・五代
宋・遼・金・元
明・清

分野別順

基本用語
青銅器
陶磁器
金銀・玉器
石器・ガラス
彫刻・書画
絹・衣類
建造物・遺跡・墓
歴史名城
歴史人物
研究機関
研究者
面白テーマ

ベルベテーレ宮殿(オーストリア) 2009年7月26日更新

ベルベテーレ宮殿(オーストリア)

【和:ベルベテーレきゅうでん
【英:Osterreichische Galerie im Belvedere in Wien
研究機関|>ベルベテーレ宮殿(オーストリア)

ウィーンの高い丘にベルベデーレ宮殿がある。ベルベデーレとは"美しい眺め”という意味である。かつてはサボイ公プリンツ・オイゲンの夏の宮殿であった。バロック様式の美しい建物は一七一五年に建ったものである。
サボイ公オイゲンは一六六三年にパリで生まれた。父はブルボン宮に仕えた公爵で、母はルイ十四世の女友達であった人で、イタリア人の血が流れている。オイゲンはフランス王の警備隊に入るが、一六六三年オーストリアの軍に加わり、トルコ戦争などで数々の功績を残す。出世したオイゲン公はウィーンの町に二つの宮殿を造った。一つをウィーンの古い町の中に造り、もう一つがこ の夏の宮殿である。現在は主にオーストリアの画家の作品を展示する美術館となっている(オーストリア美術館)。
 美しいウィーンの町を見下ろしながら宮殿の正面に回り、中に入る。さすがは宮殿、豪華である。階段をあがると中央ホールの大理石の部屋に出る。
 この部屋の左右に展示室がある。さらに三階も展示室に使われている。二階の展示室は一九九五年まで修理中のため、主な作品は二階に陳列展示されている。 やはり、ここではクリムトが素晴らしい。有名な「接吻」[アデーレ・ブロッホバウアーの肖像」、美しい色彩と金を使った華やかなクリムト芸術が満喫できる。それとエゴン・シーレがいい。「死と若い女」「四季のイメージ」、肖像画など、シーレ独特の雰囲気の作品群が心に残る。シーレと同級生だったココシュカの作品も多い。また、ムンクも数点あった。
 一階にはフランスの印象派の作品がある。このベルベデーレ宮はオーストリアの画家の美術館とされていたが、ウィーン美術史美術館が作品数が多くてすべてを飾りきれないため、とりあえずこの美術館にも飾ってあった。モネ、ルノワール、マネ、ロートレック、ゴッホ、レジェ、コロー、クールベなどもあった。ルノワール「水浴のあと」(一八七六)やゴッホ[オーヴェールの風景」(一八九〇)、マネ「毛皮の婦人」、レジェ「田舎の風景」(一九一二~一ニ)を素晴らしいと思う。 オーストリアの十九世紀後半の作品としてはアントン・ロマコの「マチルダ・ストーンの肖像」がすてきである。レオボルド・ミュラー「カイロの市場」の群像も力強くて印象に残る。ハンス・マカルト「バッカスとアリアドネ」も美しい。
  クリムトの華やかな美しさはこのベルベデーレ宮にとても似合う。外へ出るとさわやかな六月の太陽が縁の庭に反射していた。出所:『美術館へ行こう』長谷川智恵子
関連用語:

Copyright 2006 abc0120 All rights reserved.