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青田石 2009年7月9日更新

青田石

【和:せいでんせき
【中:Qing tian shi
彫刻・書画|基本用語|>青田石

最も早く知られた石印材である。浙江省処州府青田県付近から産出する。寿山石には『寿山石考』のような専著があって概要を知ることができるが青田石にはそうしたものがなく、 はっきりしない。
青田県城の東一五〇メートルぐらいの季井嶺という所から産出する。洞は狭く、高さ二メートル、洞内の径、一メートルくらいという。産石には白、乳白、黄、嫩黄、鮮緑、乳紅、丹砂、青黒、灰蒼、淡青、絳(はなだ色)などの各色があり、強石が多く凍石もある。凍石は半透明である。蠟石は寿山石より粘りがあり、凍石は寿山石に比べて硬い。
燈光凍:元の王冕が使用した石ともいう。 明末には第一級の石として喧伝された。紅味を帯びて半透明、これを陽の光にあてると灯火が輝いているようであるからこの名がつけられたという。灯火凍、花乳石、灯明石などの別名がある。正体がつかみにくく、幻の名材といえる。
青田艾緑:艾葉緑も明末に喧伝された材である。寿山石とも青田石とも言われ明らかでないが、現代では両方にあると言われている。寿山を艾緑(艾葉緑)というのに対して青田の名をつけている。現在、艾緑としているものには疑問が多く、この材も幻の名材のうちに入る。 一説によると紫色が混り、葉形の文様があると言う。
封門青:名前が有名で、寿山か青田か判らなかったものであるが、青田系の材であることが判った。解放後に新材で封門青としたものが出たからである。蠟石系の嫩緑の材である。果してこれが音の封門青と同じであるかどうかは不明である。
蘭花青田:蘭の花に似た淡い緑色でかすかに黄味がかっている。蠟石系の石である。
白果青田:前者に似て少し白い。白果とは銀杏のことで、核皮の白さに似ているというのであろう。
青田?石:乳白色でもっちりした味は寿山の白と異なって落着きがあり渋い。ういろうに似ている。
青田凍石:薄緑の半透明の材である。純一なものは少なく、青黒い斑点のあるものと硬くて白い斑文のあるものとある。軟かさのある凍石に逸品がある。
醤油青田:青田石の古材で手磨によって醤油で煮しめたような色になったものを言う。多くの裂文が入る。
夾板石:夾板峡から産出する。黒、 灰、 黄の三色がある。不透明。
周青凍:周村から産出。青色の中に黄、紅の斑があり、石質は硬い。
紫檀凍:五色がある。
松皮凍:青黒色。文があり硬い。
有武池石:硃のような紅と蠟のような白とある。石は軟膩(ねばりがあり柔らか)である。
官紅石:絳色(濃いあかいろ)で、花のような斑文がある。
河幽石:猪肝色。
渡船頭石:嫩黄色、青色の二種があり、硬く、日に曝すとひびが入る。
牛墩洞石:黄色で硬い。
を鼠石:白色だが不透明 小材しかない。
解放後、青田石がかなり輸入されているが実用品ばかりである。蠟石、凍石の二種ある。何千とある材の中で純なものが僅かにあるが九牛の一毛に等しい。鑑賞に堪える材は古材にしかない。出所:『文房古玩事典』宇野雪村
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