三彩馬　2009年5月19日更新

唐時代(8世紀）
高76.5cm
珍しい白馬の作例である。首が太く、足が長く、均整のとれた堂々たる体躯を誇り、前方を見据え、その表情は威厳と気品にあふれている。たてがみは短く刈られ、尾は短く束ねられている。たてがみが首の付根に一握りだけ長く残してあるのは、乗馬する際の手懸りであるといわれている。
この馬もやはり美しい馬具で飾られている。濃い褐釉であらわされた革帯がめぐらされ、貼花による円形の垂飾には緑釉がかけられている。馬具の装飾としては比較的シンプルであるが、垂飾の一つ一つに騎馬人物があらわされている。異国的な気分の強いなかなか洒落た意匠である。 類品の中でも姿がひときわ大きく、数ある唐三彩馬の中でも出色の名作である。 出所：中国陶磁器展1992静嘉堂文庫美術館
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