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三彩文官 2009年5月19日更新

三彩文官

【和:さんさいぶんかん
【中:San cai wen guan
隋・唐・五代|陶磁器|>三彩文官

唐時代(8世紀)
高127.0cm、高129.0cm
唐三彩の俑は、死後の世界で墓主に仕えるべく制作されたもので、墓主の身分によって大きさが定められていたという。実際には規定を上回る大きさの俑が多量に制作されていたが、この文官俑ほどの威容を誇るものは少ない。大きさや作品の水準の高さから見て、墓主はかなりの高位高官のものであったと推測できよう。
この2点は一対で保管されており、ほぼ同形であるが、衣冠の細部に若干の違いをつけ、各々の其調色を茶色と緑色にするなど、両者の調和と対比が考慮されているように見える。胎上は純白でよく精練されているが、その上から更に白化粧し、透明・緑色・褐色の鉛釉を掛けている。そのため濁りのない明るい発色である。単なる流し掛けではなく、実際の衣服を再現するよう、工夫が凝らされている。殊に蠟抜きによる襟や袖口の斑掛けは華やかな錦繍を巧みに表現している。
頭部のみ無釉で、白化粧の上に加彩で彩色するのは、迫真性のある仕上がりを期したためである。堂々たる冠を戴いた肉付きの豊かな顔は、加彩が剥落しても尚生々しいものがある。一人は怒気を含んでおり、二人の表情には謹厳な官僚の理想像が投影されている。 出所:中国陶磁器展1992静嘉堂文庫美術館
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