考古用語辞典 A-Words

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阿弥陀如来坐像・観音・勢至菩薩立像龕 2009年1月22日更新

阿弥陀如来坐像・観音・勢至菩薩立像龕
【和:あみだにょらいざぞう・かんのん・せいしぼさつりゆうぞうがん
【中:A mi tuo ru lai zuo xiang・guan yin・shi yin bu sa li xiang kan
隋・唐・五代|彫刻・書画|石器・ガラス|>阿弥陀如来坐像・観音・勢至菩薩立像龕

一九七三年 河南省堰師県机塼廠出土
石灰岩、浮彫
高四三・〇、幅二九・〇、奥行九・○
唐 神龍元年(七〇五)銘
河南・洛陽博物館
アーチ形に縁取りした龕内に三尊像を浮彫する。中尊は、通肩に衣をまとい、右手を膝の上に置き、左手は掌をあおむけて腹前にすえ、蓮華座に坐る。右脇侍(向って左)は、右手を垂下して衣端をつかみ、肘を曲げて腹前にあげた左手で持物をとり、上体をわずかに右方へ傾けて蓮華座に立つ。左脇侍(向って右)は、右手の肘を曲げて胸前で何かをつかむような手つきをし、左手を垂下して水瓶を持ち、左足を軽く曲げて上体を左方へ傾け、蓮華座に立つ。中尊は、がっしりとした体躯ながら、腹がしまり、各部に適度な肉付けがほどこされ、両脇侍は、肢体がのびやかで、各部に丸みがある。衣文などの細部の造形にはあまり拘泥せず、均整のとれた手慣れた表現をみせる。
縁の左右に刻まれた銘文によれば、中尊が阿弥陀如来、両脇侍が観音菩薩と勢至菩薩(銘文には「大世志菩薩」と記す)として造立されたことがわかる。持物から判断すると、左脇侍(向って右)が観音菩薩に該当しよう。阿弥陀如来は、西方極楽浄上の教主として、古来、絶大な信仰を集め、中国では、とくに七世紀後半以降、彫刻や絵画による造像が盛行した。
縁の上部には、蓮華座に坐った過去七仏(過去の七人の仏)が表現され、三尊の下方には、蓮の花枝を手にして向き合って坐る供養者と、その中央に舎利容器かと思われる器物が浅く浮彫されている。
則天武后(在位六九〇~七〇五年)の崩御直後の造像であり、随所に、宝慶寺石仏群など、八世紀初頭の諸像と共通した作風がうかがわれる。
【銘文】「清信弟子骨二娘敬造阿弥陁像観音/大世志菩薩多心経一巻又造七佛上為(以上向って右側)/皇帝合家大小及六親奮属無諸欠(災)障/神龍元年十二月甘三日敬造(以上向って左側工(正面左右刻銘)/(背面に『般若心経』の経文を刻出)出所:唐の女帝・則天武后とその時代展1998
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