考古用語辞典 A-Words

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琺瑯彩蓮花文水注・杯 2009年1月4日更新

琺瑯彩蓮花文水注・杯
【和:ほうろうさいれんかすいちゅう・はい
【中:Fa lang cai lian hua wen shui zhu・bei
明・清|陶磁器|>琺瑯彩蓮花文水注・杯

「雍正年製」銘
景徳鎮窯
清時代・雍正(1723~35)
高さ:11.4cm(teapot)口径:6.3cm(cup)
A.E.ヒッピスリー氏旧蔵
球形の胴に注口と把手のつく水注と口縁に向かってわずかにふくらみのある杯。粉彩(ファミーユ・ローズ〉と呼ばれる手法による作品は、雍正から乾隆年間にかけて多く作られたが、その中で「古月軒」と呼ばれる作品は、最上級の粉彩を用いて皇帝のためのみに作られた特製の器物とされ、多くは文様の題材にあった題句と、その前後に引首と句後の印をあらわしたものをいうが、永くその実態は不明であった。しかし近年、それらは景徳鎮の御器廠で焼かれた極上の白磁を、北京紫禁城内に設けられた内務府造?処の琺瑯作で、直属の二工人の手によって七宝の顔料である色ガラスの粉末を用いて絵付けを施し、低火度で焼成したものであることがわかった。今日では、琺瑯(七宝)の顔料を用い、琺瑯作で絵付けされたところから、これを「琺瑯彩」と称するようになっている。この水注と杯は蓮の花を白と紅彩で描き、黄緑と緑であらわされた葉と鮮やかな色彩の対比をみせる。花弁は微妙に色を使い分け、葉脈は細部まで細密に描いている。余白を効果的に生かした文様構成で、すっきりとした器形とよく調和している。 一面に黒の顔料を用いて優美な筆遺いで題句の「君子の徳は高潔にして佳人の粧いは優美なり」を記し、水注に紅色で引首の美をあらわす「佳麗」、金成とはおそらく装飾者の名であろう「金成」、誠実、儀礼上の名称とされる「旭映」の句後の印を記している。杯には、同様に美をあらわす「佳麗」、清らかにして芳しい香の「清香」、優れたる者の「君子」の印を記している。水注、杯ともに卵殻のように薄く、精巧な作りである。底裏に二重の方郭内に「雍正年製」の銘が監料で記されている。出所:中国陶磁の至宝-デイヴィッド・コレクション
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