考古用語辞典 A-Words

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禾目天目鉢 2008年12月27日更新

禾目天目鉢
【和:のぎてんもくはち
【中:He mu tian mu bo
宋・遼・金・元|陶磁器|>禾目天目鉢

「宝」、「坤寧殿」、「和適」銘
建窯
南宋時代・12~13世紀
口径:262cm
故宮伝来
口縁部がわずかに外反し小さい高台のついた円錐形の鉢。きめの荒い黒褐色の胎に光沢のある黒釉が裾の部分まで厚くかけられている。釉には建窯独特の「兎毫盞(とごうさん)」(訳注:日本ではこれを禾目天目ともいう。)と称される赤褐色の兎の細毛のような細かい筋の文様がみえる。口縁端部に銀の覆輪をめぐらせたこの器はこのタイプの茶碗としては他に類を見ない大きさである。福建省に窯址が発見されている建窯は10世紀から14世紀の期間生産され、鉄分の多い南方の胎土と大量の鉄分が含まれた黒釉を用いている。兎毫は釉中の酸化鉄が飽和して生じる現象である。福建は茶の産地でこれらの茶碗と共に茶も広く海外各地に輸出された。北宋時代喫茶が流行し、そのためこれらの茶碗は福建茶を愛飲した朝廷や文人から好まれ発展した。この茶碗はこうした飲茶を好んだ文化人の特別な注文で造られたのか、器底には「宝」の銘が彫られている。また「坤寧殿」と「和適」の二つの字句が影られているが、これは後世に加えられたものである。出所:中国陶磁の至宝-デイヴィッド・コレクション
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