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中陽銅漏 2008年12月12日更新

中陽銅漏
【和:ちゅうようどうろう
【中:Zhong yang tong lou
秦・漢・三国|青銅器|>中陽銅漏


高47.8, 直径18.7cm
容量6384c㎡+m,重8250g
1976年内蒙古伊克昭盟ハンギン旗阿門其日格出土
水時計。壺身は円筒形,底に近いところに斜め下約25°に円筒形の流管が出ている。壺身の下は3本の蹄形足。蓋の上に2層の梁(釣り手)があり,蓋と2層の梁の中央に,上下相対応する3つの長方形の孔があいている。漏箭(時刻のめもりのある矢)をさしこむためのもの。
壺の内底に陽文の「千章」の2字が鋳出してある。壺身の外面,流管のま上に陰刻の銘文が1行,「千章銅漏一,重卅二斤,河平二年四月造」とある。第2層の梁の長方形孔の両端に陰刻の「中陽銅漏」4字がある。このことから, この漏壺は前漢成帝の河平2年(前27年)4月に千章県で鋳造されたもので,その後また第2層の梁上に「中陽銅漏」の銘が加えられたことがわかる。中陽と千章は前漢ではどちらも西河郡に属していた。前漢の中陽県は今の山西省中陽県城以西にあった。千章県は今の山西省西北部一帯にあった可能性が大で,だとすれば内蒙古ハンギン旗とさほど遠くないことになる。壺の重量は前漢時の32斤,8250グラムから割り出すと,当時の1斤は257.8グラムとなる。これは,湖北省江陵鳳凰山168号墓(前漢文帝13年,前167年)出土の銅法碼(はかりの分銅)から推算された1斤258グラムと近いし,河北満城漢墓出土の「三釣」(釣はめかたの単位で30斤)鉄権(はかりの分銅)から推算された1斤258グラムとも近い。従って,前漢初から成帝時期までの1斤の重量はみな258グラム前後であることが証明された。
この銅漏は保存状態が完全で磨耗しておらず,満城と興平(陝西)の漢墓中から発見された銅漏の体積よりも大きく,しかも明確に年月が記されており,前漢時代の泄水型沈箭式の漏壺研究にあらためて重要な資料を提供した。出所:中国内蒙古北方騎馬民族文物展
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