考古用語辞典 A-Words

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妙法蓮華経化城喩品第七  2008年09月28日(日)更新

妙法蓮華経化城喩品第七
【和:みょうほうれんげきょうけじょうゆほんだいなな
【中:Miao fa lian hua jing hua cheng yu ping di qi
晋・南北朝|彫刻・書画>妙法蓮華経化城喩品第七

紙本墨書
縦24.7 横66.0
北朝
敦煌研究院0251号(土地廟出土)
 首尾を欠く。全部で四〇行である。 一行十九から二四字と、字数はそろっていない。「復如是。尓時上方五百万億国土諸大究梵王皆悉自」に始まり、「説是法時、六百万億那由他人以不受一切法故而于」に終わる。鳥絲欄とは淡墨を用いた罫のことで、古代写本の界欄の方法の一つである。質は往々にして高くない。書法は隷書である。紙の質は比較的厚い。いわゆる「単抄双晒」の痕跡をみることができる。「単抄双晒」とは古代製紙法の一つで、一度に一層の紙パルプをすくい取り、二層の紙パルプを重ねていっしょに晒して干す方法である。もし原料がよく、繊維がうまく平行に揃えば、この種の方法でつくられた紙は上等である。この紙質の繊維は比較的細い。表面には光沢があるのにひきかえ、背面が粗雑であることから、この紙はおそらくつやだしの工程を経ている。
四〇行の写経には五箇所の誤りがあり、第二一行は書き終わらずに行を代えるなど、写経した者のぞんざいさがうかがわれる。終わりから六行目より十二因縁を記述し、重複する時はいずれも「〃」に替えている。写経の労を大幅に省いたもので、昔の人の智恵である。たとえば「識〃縁名〃色〃縁六〃入〃縁触」は「識縁名色、名色縁六入、六入縁触」と読むことができる。ただし読者が内容に習熟していなければ読解は非常に難しい。
敦煌文書中、妙法蓮華経は最もよくみられる経典の一つである。数量も多いが、このような北朝写本の妙法蓮華経はむしろ少ない。出所:『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念

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