楡林窟第三窟西壁南側  2008年09月22日（月）更新

普賢変相図（模写　趙俊栄）
紙本着色
縦364.5 横204.0
西夏
  第三窟の西壁南側の大壁面に描かれた六牙の白象に乗る普賢菩薩とその眷属たちである。同壁北側の文殊変相図と対をなす。線描を主体にし、風に天衣を靡かせた普賢の姿態の美しさと暢達した線描力によるものである。青、緑などで髪や着衣を彩る他は、線描のみによって白描風に表わし、上部山水景は、一幅の水墨画として十分観賞に足る表現で、点在する楼閣は、線密な直線を引き並べた界画としても優れている。
普賢菩薩の向かって左の岸辺に孫悟空と経典を載せた白画を伴う唐僧取経図が小さく表わされているが、このような図は、この楡林窟と東千仏洞など安西地域にのみ見られる珍しいもので、小説『西遊記』が書かれるより三百年も早い。出所：『砂漠の美術館-永遠なる敦煌』中国敦煌研究院設立50周年記念