考古用語辞典 A-Words

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広東海上シルクロード博物館  2008年09月11日(木)更新

広東海上シルクロード博物館
【和:かんとうかいじょうしるくろーどはくぶつかん
【中:Guang dong si chou zhi lu bo wu guan
研究機関|>広東海上シルクロード博物館

 広東海上シルクロード博物館は陽江市海陵島の「十里銀灘」に位置し、投資総額1億6000万元、敷地面積13万平米、館内のコレクションは3万点という規模を誇る。
今から八百数年前に海底に沈没した宋代の木造船「南海Ⅰ号」は、長い歳月や海水の浸食によって、船体が非常に老朽化している。「先に貨物を取り出し、後から船体を引き上げる」という伝統的な引き上げ方法では、沈没船に「二次破壊」をもたらしてしまうことは避けられない。
「南海Ⅰ号」の秘められた歴史的、文化的情報を最大限に保護して集め、古代海上シルクロードの豊かな文化遺産を守りながら「海上シルクロード学」研究に貴重な現物資料を提供するため、中国国家文物局は2002年より各分野の専門家たちを集め、「南海Ⅰ号」に対する水中考古作業をいかに進めるかの研究や論証を重ねた。
南海Ⅰ号」の特殊な埋蔵状況、複雑な海底環境、海水の透明度の低さなどの問題に焦点を合わせ、船を丸ごと引き上げるという斬新なアイデアを打ち出した。「南海Ⅰ号」沈没船や船に堆積している土砂をそのまま特製の鋼製のケーソンに固定し、一括して引き上げ、広東海上シルクロード博物館が「南海Ⅰ号」のために建設した「水晶宮」に運びこみ、人がコントロールできる水中環境で発掘と保護作業を行う。これは、国内外でも先例のない試みであった。
博物館は、5つの大小さまざまな不ぞろいの楕円形が連なるようにして形成されている。全体は起伏する波にも、古い船舶の竜骨にも見える。メイン建築の核心である「水晶宮」は、海底環境をシミュレートした60メートル×40メートル、水深12メートルの大きな水槽で、水質や水温、その他の環境も「南海Ⅰ号」が沈んでいた場所と完全に一致している。
  観光客は「南海Ⅰ号」の現場作業を以下のような方法で見学することが可能となっている。
一、地下一階の水中参観回廊を利用して見学する。
二、パノラマルームから360度のパノラマ景観を楽しむ。
三、「水晶宮」の上に立ち、二十メートル以上の高さから沈没船全体を見おろす。
2007年4月8日、「南海Ⅰ号」の丸ごと引き上げプロジェクトが正式に始動。広東省陽江市付近の海域で、7億元近い建造費の超大型クレーン作業船「華天竜」が、はかり知れない価値をもつ南宋の沈没船「南海Ⅰ号」の引き上げにとりかかった。
その後の8カ月の間に、中国交通部広州市救撈局はまず「南海Ⅰ号」の船上の凝結物を整理してから、鋼製の枠を水中に入れ、沈没船にかぶせるように組み立てて固定した。それから、鋼製のケーソンを海底に沈め、ケーソンの中に圧縮空気を送ったり、梁をケーソンの底部に通したりするなどの作業を行った。
沈没船を浮かび上がらせるのは、「南海Ⅰ号」を引き上げるプロジェクトのキーポイントである。作業の成功を確実するため、広州市救撈局の技術者たちは精密に計算し、「二重保険」の計画を立てた。「華天竜」がケーソンを水面から一メートルほどまで引き上げ、水中で待機していた半潜水型バージ(はしけ)「重任1601」の上に載せ、バージの排水によってケーソンを浮かせる水上と水中の連動である。
出所:人民中国インターネット版

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