考古用語辞典 A-Words

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瑟(2点)     2008年07月16日(水)更新

瑟(2点)
【和:しつ
【中:Se
春秋戦国|>瑟(2点)

木製漆塗り
(附属瑟柱50個)
1.長166cm、 幅40.2cm
2.長168cm 、幅43cm
 瑟とは大型の琴のことである。曽侯乙墓では瑟が全部で12点出土したが、これはそのうちの2点で、大きさ・形・装飾などがほぼ同じである(瑟の各部分の名称は図を参照)。
身は中空で、上面・長側面・短側面・底板からなる。首のがわの短側面は平面であるが、尾のがわは角が丸くなっていて、その側面には大小の龍蛇が絡みあう紋様が、正面には大きな獣面紋が彫刻されている。また正面の下部中央に長方形の欠き取りがあって、獣面の口ともなっている。瑟の上面には、弦を受ける細い隆起(岳山)がある。首に近いものを首岳といい、尾に近いものを尾岳という。この瑟では、首岳は連続した1条の隆起であるが、尾岳は三つに分れている。首岳と尾岳の外側には、弦を通す孔がそれぞれ25ある。よってこの瑟が25弦であったことがわかる。尾の部分にはきのこ形の柱が四つ挿し込まれている。柱の下部および尾に彫られた穴は方形で、きのこ形の柱を回すことはできない。全体にまず黒漆を塗り、その上にあらためて朱漆を全面に塗り、さらに黒色と黄色とで、龍鳳紋や菱つなぎ紋・雲紋・鱗紋などを描いたり、彫刻の縁取りをしたりしている。
瑟は残っておらず、したがってその材質は不明である。弦の張り方については『報告書』などにも考察が発表されていないが、瑟の構造からひとまず次のように考えられる。まず弦の一端を首側の内面になんらかの方法で固定する。次に別の一端を首岳外側の孔から外に出し、首岳・尾岳を経て、尾岳外側の孔から再び中に入れ、獣面の口となっている尾の中央下部の欠き取りから外に出して、きのこ形の柱に結びつけたのであろう。出所:『曾侯乙墓』 特別展 日中国交正常化20周年記念

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