考古用語辞典 A-Words

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何家村出土遺物     2008年07月09日(水)更新

何家村出土遺物
【和:「かかそんしゅつどいぶつ
【中:「He jia chun chu tu yi wu
隋・唐・五代|建造物・遺跡・墓>何家村出土遺物

 何家村は、現在の陝西省西安市の南部にある町の名前である。1970年、この地域の一画から唐時代の窖蔵(穴倉)が発見された。そこには陶製の大きな甕2口と銀製の壺1口が置かれ、これらの容器の中に、金銀器をはじめ、青銅器、宝玉、貨幣、薬材など、およそ1000点にものぼる器物がぎっしりと詰め込まれていた。とくに金銀器は、約270点という多数をしめ、碗、盤、杯、壼、箱、合子、錠、装身具といった多彩な種類におよぶ。いずれも、贅が尽くされた巧緻な作風を示し、唐代金銀器の質の高さをあますところなく伝えている。貨幣には、西方のビザンチンやササン朝の金銀貨と、東方の日本の和同開珎銀銭なども混ざり、唐時代における東西交流の活況を物語っている。薬材では、鍾乳石や丹砂(水銀と硫黄の化合物)、琥珀、珊瑚などがあり、当時の医術あるいは煉丹術の実態を示唆するきわめて貴重な資料を提供している。器物の作風や貨幣などの年代からみると、これらの埋納品はおよそ唐時代の半ば(8世紀中期)頃までに制作あるいは使用されたもののようで、安史の乱(755~763年)などの戦乱に際して、その難を逃れるために地下に埋納されたのではないかと考えられている。当時の第一級品がそろっていることから、皇族ないしその周辺など、最上流階層の間で用いられていたものと推測される。出所:『遣唐使と唐の美術』

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