宣徳描金雲龍紋粉紙     2008年07月05日（土）更新

明 宣徳年間 
長72cm 幅31cm
  明代の加工紙でいちばんよく知られているのは宣徳貢箋で、「宣徳炉」、「宣徳磁」と肩を並べる。はじめは皇帝用だったが、のちに内府から流れ、ついに世人に重用されることになった。宣徳貢箋といっても、五色粉箋、五色大簾、五色金花箋、磁青紙など種類は多い。この描金雲龍紋粉紙は白色粉箋で、五色金花箋の一種である。描かれている金色の雲龍紋は気迫もこもり、荘重かつ華麗。清初期には宋代の宣和龍鳳紋箋、金粟山箋と同じように世に希少な名紙と見なされていた。この紙は清宮旧蔵のもので、はじめは明代の堆朱大盒におさめられていたセット文具の中のひとつで、絹の袋でくるみ、さらに赤紙二枚でそれを封じていた。このことから、清宮廷が貴重な文玩として保存していたことがわかる。出所：『北京博物院・清朝宮廷文化展』