考古用語辞典 A-Words

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應真渡海楕円緑硯     2008年07月03日(木)更新

應真渡海楕円緑硯
【和:「おうしんとかいだえんりょくけん
【中:「Ying zhen du hai tuo yuan lu yan
宋・遼・金・元|彫刻・書画>應真渡海楕円緑硯


長29cm 幅22cm 厚8.5cm
洮河
 洮河石は甘粛省臨県の洮河に産し、石質はすぐれ、中国の「四大名硯」のひとつに数えられている。この硯は緑をおびた黄色の楕円形のもので、底辺部は空洞で、容器をさかさにしたような格好をしている。これは硯の重みを軽くするためである。彫刻の飾りは三つの部分からなっている。硯面は「蘭亭全景図」が浮き彫りされ、東晋書道家王羲之が『蘭亭叙』を書いた場所・浙江省紹興の会稽山の蘭亭が捕かれている。硯面の中央には正方形の墨堂があり、上部に「引き潮」風に墨池が設けられている。硯の側面には、線刻と浮き彫りを結合した彫刻「應真渡海」の仏教の故事がひとめぐり刻まれている。應真は、つまり釈伽牟尼の弟子の羅漢である。中心人物は、眉毛が胸元までのびている老者で、十八羅漢の第一人者、俗称「長眉羅漢」とよぶ。十八維漢の表情はそれぞれ異なり、微笑する者、笑いこける者、無表情の者、ツンとする者、ひどく怒る者があり、こうした顔の表情で、それぞれの内在的な性格を表わしている。芸術的魅力もここにある。硯の裏面は立体感十分な「雲龍図」が浮き彫りされ、凸彫と凹彫がたくみに結びつき、立体像に近い効果を表わしている。出所:『北京博物院・清朝宮廷文化展』

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