造像芸術     2008年06月17日（火）更新

　雲岡石窟の内壁、外壁、仏光、藻井（天井）などには、いずれも数多くの「飛天」が刻されている。これらの飛天は生き生きとしていて、仏教信者が憧れる極楽世界を見る人に思わせている。石窟群中には、様ざまな形態で、真に追る各種人物、例えば如来、菩薩、弟子と護法諸天などがある。いずれも高い技法を用いて、人間が持つ天性と表情を具えさせた活気にみなぎつたものである。古朴で様ざまな規格の木造建築の模造品もあれば、テーマが目立ち、技法が熟達する仏伝浮き彫りや、構図が複雑で豊かな装飾が施されたものもある。中国古代の楽器、例えば箜篌や排簫、篳篥、琵琶なども多い。
彫刻技法の面では、雲岡石窟は中国の秦・漢時代の彫刻芸術のすぐれた伝統を受け継ぎながらも、犍陀羅芸術の有益な部分も取り入れてそれを彫刻に溶け込ませて、中国の彫刻史上に大切な1ページを書き残した。雲岡石窟は古代中国の歴史、彫刻、建築、音楽と宗教、信仰などを研究するための重要なイメージ資料であるだけでなく、古代東西方文化交流と人民間の友好往末を証明する大切な実物資料でもある。出所：中国世界遺産「雲崗石窟」