考古用語辞典 A-Words

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曇曜五窟(第16~第20窟)     2008年06月17日(火)更新

第20窟仏像
【和:】
【中:
面白テーマ|彫刻・書画>曇曜五窟(第16~第20窟)

 西部石窟群に当たるものである。雲岡石窟の中部窟群から、ある4区間の自然断層地帯を過ぎてから到着する。第16窟のお釈迦さまの立像は、高さが13.5mで、「肉髻波状の髪の毛」というヘアスタイルは、雲岡でなければ見られないものである。顔面部はやや長いが、威厳そのもの。厚い繊織のマントルを身につけ、胸前には帯が結われ、ゆったりした裙は胸まで垂れ、雄々しく蓮花座の上に立っている。注意すべきは、この仏像の服飾は今日の朝鮮民族の女性服ととても似ていることである。右手の掌は上に向き、左手はやや下の方に垂れ、親指と中指とはものを捻るような形を成している。
第17窟は楕円形のもので、床は他の四窟より約1m深く下のほうに掘つている。主たる仏像は雲岡でも最大の交脚坐像に属するもので、逞しくて立派なようには「俺を除けばまた誰があろうか」との気品がある。花冠を頭上に戴き、胸前には獣紋の飾物があり、臂に珠釧をつけ、腿は箕据状をつくつている。右手の掌は上に向き、左手は胸に曲がっている。人々はこれを「交脚彌勒菩薩」と称している第18窟も楕円形のもので、主たる仏の立像は高さ15.5mで、造型が奇特で立派である。特にその「千仏袈裟」という衣装は、稀に見たもので、各学派の注目を集めている。胸を張って頭を挙げて立っていて、寰宇を無視する姿ではあるが、右手が下の方に垂れ、左手が胸を撫でるという格好から見ると、また、謙恭で物を考えているような姿も思わせる。傲慢と謙遜という矛盾な態度を一体に集めた姿、及び「千仏袈裟」の上に数え切れないほど多くの小さな仏を施したという造形は、主たる仏へのへつらうか畏怖か、多くの研究者の間に趣味を引き起こしている。
第19窟は特色がある洞窟である。それはつまり床の平面は橋円形のもので、洞の両側にはまた2つの小さな脇洞があり、床は主たる洞より3m高く、窟内には高さ8mの仏の坐像が彫られていることである。主たる洞窟の坐像は高さ16.8mで、やさしい顔つきで、曇曜五窟の中でも最大の1つで、雲岡石窟に置いては2番目に大きい。
第20窟は雲岡石窟の外交官や、代表作と称えられた青空大仏である。1000年余り前の遼代、洞窟の倒壊がきつかけで、青空仏像になったのである。高さ13.7mのこの仏の坐像は華麗宏壮で、仏は跏趺を結んで端座し、手は「定印」状をなし、つまり禅思して内心を安定させる格好をしている。この青空大仏像は、仏法を唱え雲岡で石窟の掘削を主張した文成皇帝のイメージであるといわれている。出所:中国世界遺産「雲崗石窟」

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