考古用語辞典 A-Words

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白磁牡丹唐草文龍首浄瓶       2008年05月10日(土)更新

白磁牡丹唐草文龍首浄瓶

【和:はくじぼたんからくさもんりゅうしゅじょうへい
【中:Bai ci mu dan tang cao wen long shou jing ping
宋・遼・金・元|陶磁器>白磁牡丹唐草文龍首浄瓶

定窯 北宋 10世紀 
高さ60.9cm
 浄衆院塔塔基からは47点の陶磁器が出土している。なかでもこの白磁浄瓶はもっとも大きく、世に定窯白磁として知られている作品の中では最大の作である。発掘時の記録写真によれば、この浄瓶は石函の蓋上の中心に、注口部を入口に向けて立っておかれていたようである。姿の大きさもさることながら、全面に施された浮彫り文様も鋭く、雄大である。
器体は細長い頸部と胴体からなる。頸部は本体の主軸に対し少し斜めにかしいでいる。これは器体本体が大きすぎるため、焼成時に生じたものであろう。
頸部の中央には鍔縁がある。頸部上辺には蓮弁文が、頸部下辺には弦文がめぐる。本体の肩部には蓮弁文が2段めぐり、胴下半部にも蓮弁文が3段、浮彫りで描かれている。上下の蓮弁文の間には牡丹唐草文が浮彫りで、器体に深く彫られている。牡丹唐車文は北宋後期の定窯白磁の同文のような流麗な意匠ではなく、ややかたい感じである。注口は胴の肩の一端につき、龍首形を呈している。高台は少し外反し、畳付きは無釉となっている。大きなヤマキズとみられるクラックが、高台から高台内側に生じている。いずれにしても、この巨大な白磁浄瓶は、10世紀末、初期定窯磁の記念碑的作品というべきであろう。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』

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