考古用語辞典 A-Words

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銀製鍍金六角塔       2008年05月10日(土)更新

銀製鍍金六角塔

【和:ぎんせいときんろっかくとう
【中:Yin zhi du jin liu jiao ta
宋・遼・金・元|金銀・玉器>銀製鍍金六角塔

北宋 10世紀
高さ35.5cm 
 銀板を組み合わせた6角2層の塔で、部分的に鍍金装飾されている。台座には蓮弁をめぐらす。それぞれの蓮弁は2重の沈線と突線によって輪郭が表され、中央および周囲に毛彫りと魚々子装飾をほどこしている。
第1層には、下半分を魚々子地に菱繋ぎ文で装飾した欄干をめぐらす。欄干の柱には擬宝珠がのっており、鍍金がよく残っている。塔正面は打ち出しで門が表され、その他の面には僧形の人物を表す。門は列点文によって3列の釘および把子が表され、まわりを打ち出しによる門框、門楣、門墩が取り巻く。門扉両側には楯形の銀板片が立ち、それぞれ「善心寺」「舎利塔」の銘が釘彫りされ、まわりを列点文による唐草文で飾っている。「善心寺」の銘は浄衆院塔塔基より出土したもう一つの銀塔にも見られる。第1層の下には1対の龍がめぐっている。軒先には風鐸がさがる。
上層は下層と同じように欄干をめぐらせ、正面をのぞく5面に頭光をつけた菩薩像が表されている。正面にはアーチ形の開口部が開けられ、その中央には鍍金された銀製の右膝を立てて坐す菩薩像がのぞいている。この像は、空洞の塔内底部左右から銀線を上に引いて吊るされている。正面左右には龍があしらわれており、背面には雲形の小片が数枚、針金で止められている。軒先には擬宝珠がのる。
屋根上には6弁の蓮弁形を切りだした2重の銀板装飾の中央に円筒形の銀板をのせ、その上に小屋根をのせる。軒先には剣先形の銀板を吊るしている。そのさらに上には、下から順に鰭状の飾りを持つ半円筒形に成形した銀板2枚を円筒形にした筒状のものと、4本の鎌形の造り出しを持つ銀板、さらにその先に鍍金された銀球、銀擬宝珠をいただく。鰭の項部から2層目軒先の擬宝珠までは鎖飾りがつく 。
この銀塔のように大型の銀塔の出土例としては、浙江省寧波市天封塔の北宋時代の塔基や契丹領であった遼寧省朝陽市北塔天宮内からの報告がある。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』

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