考古用語辞典 A-Words

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ガラス杯       2008年05月07日(水)更新

 ガラス杯

【和:がらすはい
【中:Bo li bei
宋・遼・金・元|石器・ガラス>ガラス杯

イスラーム 9-10世紀 
高さ8.0cm
 濃青色の透明素材で製作されており、分析の結果、ソーダ石灰ガラスであることが判明している。表面は浸食を受け、白い膜状の銀化が見られている。ガラスは非晶体の物質であり、構成する元素が不安定な状態であるために、土中に埋もれていたり、外界の刺激に接することで、外部の成分と結合し、変質してしまうことがある。その結果、表面が変色したり、膜状に分離してしまうことがあり、銀色にきらめくことのあるこの現象を銀化と称している。
この製品は、宙吹き技法によって製作されている。球状に吹いたガラスの底部となる部分を平たい台に押しつけることで平底とし、その後、吹き竿からポンテ竿に移し替え、形を整えた思われる。底部中央にはポンテ痕が残っている。口縁部は焼き直しを行った円形口縁で、口縁直下には、口縁整形時についたと思われるわずかなくびれがある。
この器形は、9~10世紀のイラン方面の製品に多く類例が見られる。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』

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