考古用語辞典 A-Words

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金製棺2008年05月01(木)更新

金製棺

【和:きんせいかん
【中:Jin zhi guan
宋・遼・金・元|金銀・玉器>金製棺

北宋 10世紀 
高さ4.9cm
 金の薄い板を組み合わせた棺形の仏舎利を納めるための外容器である。台座上に2枚の細長い金の板片を立て、短辺となる金小板を前後に挟み込んで棺身とし、蓋となる別板をかぶせる。前後端で高さにやや違いがあるため、棺身は緩やかに傾斜している。蓋となる金板は蒲鉾状に湾曲しており、蓋の内側の前後に取りつけられた帯状の小板によって蓋が棺身の短辺を挟み込み、合わせ目がずれないよう工夫されている。台座は棺底となる板を四方に折り返して組み合わせ、割り込みを入れて格狭間に仕上げている。
棺身の両側面には線彫り装飾が施されている。一方の面には中央に1本の樹木を配し、その両側に2人の僧形の人物を、あたかも問答をしているかのように対座させている(向かって左側の人物は方形の敷物の上に瑞座し、左手を右前方に差し出し、左手は拳を握りしめ、片目を吊り上げて何をか説いているかのようである。向かって右の人物も円形の敷物に坐し、左手の拳を力を込めて握りしめ、右手を地面につけて後方を振り返っている。もう一方の側面には3人の僧形の人物が1列に並んでいる。左右両端の人物は坐し、中央の人物のみ立ち上がって右瑞の人物の方を指さしている。右瑞の人物は右手の拳を握りしめ、左手を左膝において、やや上方を見上げている。左端の人物は前方の人物の方を向き、うやうやしく合掌している。
正面には門を表す。門扉は釘を3列に配し、両側の門框や上下の門楣、門?墩をすべて打ち出しによって造り出している。さらに、門のまわりに唐草文をめぐらし、左右からのびた唐草が石窟内の龕などに見られる尖拱形風に門の上部中央で交わっている。背面には仏足が表され、地に魚々子と唐草文をあしらう。蓋は周縁部に条線をめぐらし、地を魚々子文で埋め、中央に三つの花(牡丹?)形をあしらった唐草文でのびやかに全面を覆っている。出所:『地下宮殿の遺宝中国河北省定州北宋塔基出土文物展』

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