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観音菩薩立像 2007年12月15日(土)更新

観音菩薩立像

【和:かんのんぼさつりゅうぞう
【中:Guan yin pu sa li xiang
宋・遼・金・元|青銅器>観音菩薩立像

銅造
総高23.0
遼・十一~十二世紀
上海博物館
 中国北方の広大な領域を擁した遼では、唐・宋の文化に倣いながら、仏教を積極的に摂り入れ、盛んに造寺・造仏を行なった。今日でも、山西省大同の華厳寺に代表されるように、遼時代の堂塔・尊像が遺存する例も少なくない。
本像は、鋳造後の研磨や彫刻がほとんどみられず、表面の大部分が鋳肌のまま放置されており、中国北辺に伝統的な技法を示す。全体は一鋳になるが、底面が作られず、首下まで中空の像内をみることができる。
宝冠正面に観音菩薩のしるしである阿弥陀如来の小さな化仏をつけ、右手に楊柳を持ち、ほぼ直立する。左手の持物は、手の甲にある痕跡や類品との比較からすれば、水瓶の上部のみが残ったもののようで、もともとこの下方に水瓶の頸部以下が備わっていたと推測される。 
宝冠や瓔珞にみられる煩瑣なまでの細かな装飾、丈高い宝冠の形、よく整った容貌などは、北宋の造像と共通し、およその製作年代が判明する。正面からみると、にぎやかな装飾物にかくれて肉身の表現が定かでないが、側面や背面では、骨格がしっかりとして均整のとれた姿態が表現されており、当時の確かな造形力が感じられる。
なお、鳥取県大山寺に、本像とよく似た像容の金銅製の観音像(中国・宋時代)が伝来している。出所:「上海博物館展」

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