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八高僧図巻(第五図)2007年12月04日(火)更新

八高僧図巻(第五図)

【和:はちこうそうずかん
【中:Ba gao seng tu juan
宋・遼・金・元|彫刻・書画>八高僧図巻(第五図)

梁楷筆
絹本著色
(第五図)縦26.6 横67.1
南宋・12世紀
上海博物館
 梁楷は南宋中期の嘉泰年間(1201~04)頃に活躍した宮廷の画院画家。人物、山水、道釈、鬼神を巧みに描いたと伝えられる。南宋の紹興年間(1131~62)この画院画家である賈師古に学んだが、その描写は瓢逸であり、出藍といわれた。その精妙の筆は画院の人々で敬服しない者はなかったという。しかし最高の栄誉である金帯を賜わったが、それを無視して放置するという逸話が伝わるように、その人柄は狂逸であり、また大いに酒を好み、自ら梁風子(風子とは狂人の意)と号したという。梁楷は賈師古を通して北宋末の文人画家である李公麟の白描画を学んだが、また唐宋以来の逸格水墨画も学び、やがて「減筆」といわれる独自の草々とした水墨画法を確立した。精妙と草々、著色と水墨、梁楷はそのいずれもよくした。
本図は中国禅宗の八人の高僧に関わる故事逸話を描いたもの。第五図は円沢法師と李源の故事。余白のもつ効果を生かした巧みな画面構成と、精妙さと粗放さを合せもつ筆致は画院画家であった梁楷の力量を充分に示すものと言える。人物のグロテスクな表現は、従来、染楷の著色人物画の代表作とされる出山釈迦図(文化庁蔵)と共通するものといえる。本図は、梁楷が六祖裁竹図(東京国立博物館蔵)や李白吟行図(東京国立博物館蔵)のような草々とした水墨画とともに精妙な者色画にも独自の表現をもっていたことを改めて認識させるものである。各図の長さは同一でなく、一部切りつめられた図もあると思われるが、現在、第二、三、四、五、八図には「染楷」の隠し落款がある。清朝内府に収蔵された時は、隠し落款に気付かず宋人の作とされていた。なお図の画後の題賛は次の通りである。 
第五図)
李源与円沢法師、游眉山、舟次南浦、見一女子、錦襠花袴、負罐而汲沢、泣日、我當託孕於此女、避之不可得、後十八年八月十五日、当会君于杭州天竺山中、一言畢而卒、後源如期往天竺山、見一牧牛児云、李源真信人也、源即応声云、円沢已恙、牧児遂歌曰、三生石上嘗精魂云々、歌罷払袖而去。出所:「上海博物館展」

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