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火龍紋簋2007年11月29日(木)更新

火龍紋簋

【和:かりゅうもんき
【中:Huo long wen gui
殷・周時代|青銅器>火龍紋

青銅製
高15.7、口径19.5
西周・前11~8世紀
上海博物館
 二つの耳の付く簋。簋とは穀類を盛る器である。耳には上部に牛頭が付けられている。頸部は二つの中と六本の稜飾で八つに区切られ、逆立ちした二頭の小さな龍に巴形が挟まれる紋様を各々に施している。この巴形の紋様は火を表わしていると解釈される。腹部は直紋で飾られ、脚部は頸部と同様に八つに区切られて、各々に龍の紋様が付けられている。この簋の特色は、六つの稜飾の一つ一つに、上向きの牛頭形が付けられていることである。また耳の下に下がる長方形の板にも両面に牛頭紋様が施される。
このように牛頭紋様が数多く付けられる青銅器は、他にも例がある。陝西省宝鶏の紙坊頭一号墓で出土した四耳簋は、器体が直紋と乳紋で飾られているが、耳には各々六つ、計二十四の牛頭が付けられている。またそれによく似た四耳簋が米国ワシントンのフリアー・ギャラリーに所蔵されているが、それには四耳の間に配置された四つの稜飾の上にも牛頭が上向きに付けられ、牛頭の数は計二十八となる。多数の牛頭が付けられるという特徴は、同じくフリアー・ギャラリー所蔵の卣やボストン美術館所蔵の卣にも見られる。この火龍紋簋は牛頭の数は十二であってずっと少ないが、稜飾の上に上向きの牛頭が付き、把手や、その下の板の両面に牛頭が付く点は、これら一群の青銅器と共通している。なお器底の銘文は後刻である。出所:「上海博物館展」

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