考古用語辞典 A-Words

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厚趠方鼎 2007年11月29日(木)更新

厚趠方鼎

【和:こうたくほうてい
【中:Hou chao fang ding
殷・周時代|青銅器>厚趠方鼎

青銅製
高21.3、幅17.5、
西周・前11~8世紀
李蔭軒氏・邱輝氏寄贈
上海博物館
 横断面が長方形の身に一対の把手と四本の脚が付く。四つの側面には、それぞれ角の大きな饕餮紋を配し、脚の基部にも饕餮紋を飾る。外底では二本一組の凸線が交差している。
一つの側面の内側に、五行三十三字の銘文がある。その大意は、「周王が成周(河南省洛陽)に来た時、厚趠は(溓+止)公から贈物を受けた。厚趠は先祖の父辛を祭るために方鼎を作った。代々永く宝とするように」というものである。
この銘文をもつ青銅器が存在することは、南宋以来知られてきた。もしその青銅器がこの厚趠方鼎であるとすれば、この青銅器は七百年以上伝世してきたことになり、数多い中国青銅器の伝世品のなかでも格段に来歴の長いものということになる。しかし、南宋紹興年間(1131~1162)に出版された『続考古図』に、この銘文をもつ青銅器として図示されているのは、形態・紋様ともまったく異なる方鼎である。「続考古図』掲載の方鼎は、同じ銘文をもった別物であるとする説と、『続考古図』編纂の時に器物を取違えたとする説があるが、確かなことはわからない。
厚趠方鼎の年代については、西周二代目の成王の時期、三代目の康王の時期、四代目の昭王の時期と説が分れているが、近年は昭王説が有力になっている。出所:「上海博物館展」

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