考古用語辞典 A-Words

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ガラス貼花文盤口瓶 2007年11月16日(金)更新

ガラス貼花文盤口瓶

【和:がらすちょうかもんばんこうへい
【中:Bo li tie hua wen pan kou ping
隋・唐・五代|石器・ガラス>ガラス貼花文盤口瓶

唐(西アジア)・9世紀頃
1987年法門寺塔基地宮後室出土
高21.3 口径4.7 深20.0 胴径11.2cm 重405g
法門寺博物館蔵
 気泡の多い淡褐色透明のガラス地を宙吹技法で瓶形に成形。ボンテ竿(受竿)を用いて口縁部に盤状の開口部をほどこし、環状高台部も胴部と同じガラスを用いて熔着している。底部中央にはボンテ痕が認められる。口縁下部から肩上部にかけて縦長の気泡が認められ、宙吹により引き延ばされたことがよくわかる。文様はすべて熔着による貼付文。まず、胴部と同素材の淡褐色ガラスで肩部最上段に貼付水平紐状文を一巡りさせ、胴中央上部に5弁の貼付星形文を6、胴中央下部に中央型押浮出小円七曜文(中央1、周囲6の七曜文)の貼付環文を6、交互にほどこす。続いて、マンガン着色による濃赤紫色カラスで、肩部に中央型押の貼付二重環文を8、胴下部に上方の引き延ばされた貼付水滴状文6、熔着している。このような文様施文形態の貼付瓶は、西方では8~9世紀のシリア、エジプトなどの地中海東岸地域や黒海北岸などで出土しており、西方からの中国流入品と考えられる。年代も、874年の埋納という法門寺での石刻碑銘(衣物帳碑・真身誌文碑)とよく符合している。
なお、器の内壁に数筒所、紙片の残存が付着しているが、これは中国流入後、器内に挿入されたものと考えられる。10余字の墨書が認められるが、「蓮」「真」の2文字を除き判読不能である。出所:「唐皇帝からの贈り物」

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